石垣島の四カ字豊年祭(ムラプール)

昨日は、石垣島の四カ字豊年祭(ムラプール)を見学。
旗頭奉納や巻踊り、五穀の種子授けの儀、ツナヌミン、大綱引き等を楽しみました。
会場となったマイツバオン(真乙姥御嶽)は、来年には建て直しをするそうなので、一層感慨深かったです。



四カ字は、字登野城、字石垣、字大川、字新川のこと。
1757(乾隆22)年に、大川村と新川村は、それぞれ登野城村と石垣村から分村しました。
そのため、登野城村と石垣村、大川村と新川村は兄弟村と云われています。

八重山の方言では、豊年祭をプールまたはプーリィ、プーリン等と呼びます。
1日目は、各字のオン(御嶽)で行われる儀式で、今年の収穫を感謝するオンプール(御嶽豊年祭)。
2日目は、村全体の祭りで、クナツユー(来夏世、来年の世)の豊作を祈願するムラプール(村豊年祭)。
四カ字豊年祭では、字新川が他の3つの字を招待する形で行われます。

午後2時過ぎにマイツバオンに到着すると、まだ準備をする人達だけ。
各字の旗頭や太鼓隊などの行列が、こちらに向かっている最中のようです。
午後2時半ごろになって、新川の旗頭がマイツバオンに到着。



参加する各団体の旗頭は、必ずマイツバオン前で奉納演舞をします。
マイツバオンで待機していたので、11団体全ての旗頭を見られました。
参加団体は、新川字会、双葉自治公民館、大川字会、石垣字会、登野城字会、JAおきなわ八重山地区本部、石垣島製糖、石垣市役所、八重山農林高校、石垣中学校、東京八重山会。





八重山農林高校の旗頭が登場する頃には、マイツバオン前の道路は大混雑。



午後3時半過ぎに、全ての旗頭が勢揃い。



まずは主催者の新川字会が、拝殿前で奉納を行います。
シルシバタ(記旗)やミズヌス(水主)が登場。



新川字会の演目が一番多く、鎌払や田打など、独特なものが多かったです。



他の団体の演目は、太鼓隊(太鼓、鉦鼓、銅鑼)と巻踊りが基本。









続いて、五穀の種子授けの儀。
東からサイレー(八重山の方言で、天人のこと)が、近づいて来ます。



西からは、カミツカサ(神司)が登場。



無事、五穀の入った篭が授けられました。
地域によって五穀の内容に違いがありますが、四カ字豊年祭の場合には、稲、粟、麦、芋(サツマイモ)、フームン(もろこし)です。



女性だけの綱引きで、アヒャー綱の始まり。
八重山の方言では、士族の女性のことを「アヒャー」と呼びます。
ツナブルピトゥ(綱貫人)役の女性が、ブル(貫棒)を持って拝殿から出てきました。



大綱引きの綱は重いですが、雌雄の綱の結合は全て、女性だけで行います。



実際に綱を引くことは無く、ガーリーの始まり。
ガーリーは歓喜の踊りのことで、本島のカチャーシーに近いのかな。
これで、マイツバオンでの儀式は終了。



会場を西側に移動して、大綱引きの準備。



午後8時前に松明の灯りの中、ツナヌミンが始まりました。
戸板に乗った武将が、東西から登場。



東側の武士は槍、西側は両手に鎌を持って戦います。

最後の大綱引き。
残念ながら、綱が切れてしまったので、引き分けになりました。



今回の石垣島滞在で、初めて八重山の豊年祭を見ました。
沖縄本島の豊年祭に比べて情報が少なくて大変でしたが、とても面白かったです。


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