昨日は、なんみん祭の最終日で、神幸祭(おみこし行列)などが行われました。
「なんみん」は波上宮のことで、地元では波上宮を「なんみんさん」と呼んでいます。
パレットくもじ前での奉納演舞(獅子舞やじゅり馬、旗頭など)が一番盛り上がりますが、混みそうなのでパス。
貴重な獅子舞の神獅子は、前日の演舞大会で見てますからね。
昨日は、波上宮での琉球舞踊奉納を見てきました。

琉球舞踊(天川)@なんみん祭

午後3時になると、本殿の舞台に路次楽の人たちが登場。
観客の為ではなく、奉納なので本殿に向かって演奏をします。
本殿には向かって右から、速玉男尊(はやたまをのみこと)、伊弉冉尊(いざなみのみこと)、事解男尊(ことさかをのみこと)が祀られています。
演じられた曲名は、「太平歌」、「万年観」、「田園春色」、「紗窓外」。

路次楽御座楽@なんみん祭

琉球舞踊の最初の演目は、座開きで定番の老人踊「かぎやで風節」。
祝儀舞踊で、おめでたい場では確実に見られます。

琉球舞踊(かぎやで風節)@なんみん祭


続いて、女踊「稲まづん」。
稲穂を持っていることから分かるように、五穀豊穣を祈る踊りです。
昔の琉球では稲粟など穀物が実ることが、豊かで幸せな世果報(ゆがふ)でした。

琉球舞踊(稲まづん)@なんみん祭


3番目は、雑踊「浜千鳥」。
遠い故郷に残した愛しい人を偲ぶ心情を、浜辺で仲間を呼ぶ千鳥に託して、踊りで表現しています。

琉球舞踊(浜千鳥)@なんみん祭


4番目は、女踊「女こてい節」。
組踊「大川敵討」から独立した踊りです。
「大川敵討」は以前伊江島の村踊りで見ましたが、敵討といっても笑い所もある演目。
踊りの場面は、谷茶按司の城に単身乗り込んだ女性(乙樽)が、谷茶按司から貰った団扇を持ちながら踊って、谷茶按司を手玉に取っている所。
乙樽に翻弄される谷茶按司のコミカルな演技で、組踊を見ている人たちは爆笑していました。

琉球舞踊(女こてい節)@なんみん祭

5番目は、雑踊「鳩間節」。
元々は鳩間島での結願祭の時、稲粟の豊穣を感謝するユックリした踊りでした。
しかし、沖縄本島に伝わると、早弾きの軽快な踊りに変化。
芝居役者の伊良波尹吉が、空手を基礎にした沖縄舞踊「前の浜」と本土舞踊のカッポレを組み合わせて創作したそうです。

琉球舞踊(鳩間節)@なんみん祭


6番目は、二才踊「八重瀬の万歳(波平大主道行口説)」。
「女こてい節」と同じように、組踊から独立しました。
組踊「忠臣身替」で、波平大主が、平安名大主と吉田子が裏切ったと勘違いして、平安名大主を問い糾しに行く場面の踊り。

琉球舞踊(八重瀬の万歳)@なんみん祭


7番目は、雑踊「鷲ぬ鳥節」。
八重山古典民謡で、元旦の朝に親鷲と共に東の空に飛び立っていく若鳥を謳った「鷲ユンタ」を元にしています。
与那国御嶽の初代司・仲間サカイの「鷲ユンタ」を、大宜味信智が多少改作して創作したそうです。

琉球舞踊(鷲ぬ鳥節)@なんみん祭


琉球舞踊の最後は、女踊「天川」。
曲調は重厚ですが、娘が恋の成就を喜ぶ踊りです。
個人的には、曲のテンポを速くした雑踊り「加那よー天川」での「天川節」の方が好きかな。

琉球舞踊(天川)@なんみん祭


奉納の締めは、人間国宝・照喜名朝一さんの独唱「二揚 仲風節」。
「仲風節」の歌詞は多く残されていて、琉球古典音楽で代表的な恋歌です。
しかし、今回詠唱されたのは異なっています。

【歌詞】
誠一つの 浮世さめ のよでい言葉の あはぬうちゅうが

【歌意】
世の中の事を処するには、誠心誠意話し合うことが最も大切なことであり、この心持ちで全てに接していれば、仲違いするような事は決してないのである。

二揚 仲風節(照喜名朝一)@なんみん祭

今年の「なんみん祭」は、波上宮獅子舞の神獅子や琉球舞踊を見学出来て、とても楽しめました。
次回は、じゅり馬や稚児神楽も見てみたいですね。

琉球舞踊奉納@平成29年 なんみん祭の地図
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