昨日は、旧暦5月4日のユッカヌヒー。
沖縄県内各地で、爬竜船競漕(大漁と航海安全を祈願する海人(漁師)の行事)が行われました。
去年は南城市奥武島の海神祭だったので、今年は糸満市のハーレー(ハーリー)へ。
ハーレー開始前のサンティンモー(山巓毛)での御願から、ハーレー後のヌル殿内での御願まで1日がかりで見学しました。

転覆ハーレー(クンヌカセー)@糸満ハーレー

朝起きると、前日の雨はなんとか上がりましたが、イマイチのドンヨリとした天気…涙
それでも仕事の年休を取っていたので、ハーリー御願の行われるサンティンモーに午前9時過ぎに到着。
暫くすると、神人やハーレーに参加する三村(西村、中村、新島)の代表者たちによる古式の御願が始まりました。
御願は、太陽の昇る方向(東ノ三星・天)から始まって、北・東・南・西の順に行います。
東ノ三星(アガリミチブシ)はオリオン座のことで、ちょうどハーレー鉦が鳴らされる旧暦4月27日未明に東ノ三星が東の空に見えます。
また東ノ三星の下に南山城が位置するので、3代の南山王(承察度・汪応祖・他魯毎)を象徴するとも云われています。

糸満ハーレー御願@山巓毛(サンティンモー)

それまでは空一面の曇天だったのが、儀式が進むに連れて、不思議なことにドンドン晴れ間が広がって行きます。
あまり信心深い方ではないんですが、ちょっとビックリ。
儀式が終わると、ハーレー会場の糸満漁港に向かって旗が振られて、御願バーレーがスタート。
この白い三角形の旗(下の写真で左側の旗)には、内側に赤い三角形と琉歌「でき城按司ぬ乗みせる御船や よがふ待ち受けてはりぬちちゅらさ」が書かれています。
また下の写真で右側の四角い旗「祈大漁 糸満徳屋歴代継受」から分かるように、旗振りは徳屋の役目で、今年は徳屋の13代目当主が振っています。

山巓毛(サンティンモー)@糸満ハーレー

サンティンモーから糸満漁港までは近いので、ダッシュで御願バーレーを見に行きました。
糸満ハーレーでは、参加する三村(西村、中村、新島)によるレースが主体で、各競技ごとに点数を獲得します。
各チームは、ハチマキとハーレーギン(衣装)の色ですぐに見分けることが出来ます。
西村:紫、中村:ピンク/黄緑、新島:赤。
下の写真は西村で、御願バーレーの1位でした。

御願バーレー@糸満ハーレー

御願バーリーの終了後、参加したハーレーシンカ(漕ぎ手)達は、糸満漁港の近くにある白銀堂に移動。
競漕の順位に従って、レースの報告とそれぞれの村のハーレー歌を奉納します。

白銀堂@糸満ハーレー

白銀堂でハーレー歌の奉納@糸満ハーレー

白銀堂@糸満ハーレー

白銀堂前での集合写真が終わると、ちょうど青年団ハーレーの開始時刻。
この青年団ハーレーも、三村で競われるレースです。
これも西村が1位。
下の写真は、新島です。

青年団ハーレー@糸満ハーレー

食事に行って休憩してから会場に戻ると、アヒル取り競争が始まっていました。
アヒル50羽とスイカ50個の争奪戦です。

アヒル取り競争@糸満ハーレー

村船は、郷土芸能の歌や踊りで、場を盛り上げます。

村船@糸満ハーレー

糸満ハーレーでの見どころの一つ、転覆ハーレー(クンヌカセー)。
レースの途中で、船をわざとひっくり返した後、船を戻してレースを続けます。
中村の船が2回転覆してしまうハプニングもありましたが、このレースも西村が勝利。

転覆ハーレー(クンヌカセー)@糸満ハーレー

転覆ハーレー(クンヌカセー)@糸満ハーレー

三村のレース以外にも、職域や門中によるレースが行われました。

職域ハーレー@糸満ハーレー

門中ハーレー@糸満ハーレー

糸満ハーレーの最後は、三村によるアガイスーブ。
アガイスーブは他のレースより2倍以上の距離があって、各村の選り抜きの選手が参加します。
得点も他のレースより高いので、必然的に盛り上がります。

アガイスーブ@糸満ハーレー

アガイスーブ@糸満ハーレー

西村と新島が競り合いましたたが、新島の勝利。
同時に、新島の総合優勝が決定しました。

アガイスーブ@糸満ハーレー

アガイスーブ@糸満ハーレー

アガイスーブ@糸満ハーレー

ハーレー(ハーリー)は、御願に始まって、御願に終わります。
全レースが終了した後は、西村(親)、中村(子)、新島(孫)の順で、ヌル殿内(ヌン殿内)でレースの報告とハーレー歌の奉納を行います。
今回は、優勝した新島に付いて行って、御願の見学をしました。

ヌル殿内でハーレー歌の奉納@糸満ハーレー

ヌル殿内での御願@糸満ハーレー

ヌル殿内@糸満ハーレー

昨日は貴重な体験をさせて頂いて、感謝です。
若い世代にハーレーが受け継がれているのは、心強いですね。

糸満ハーレー 2017の地図
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