2016年4月2日に、伊是名島で公事清明祭が行われました。
清明祭は、旧暦2月後半から3月前半の清明節に行われる先祖供養の儀式です。
一般の清明祭は墓前で食事をするピクニック的なものですが、公事清明祭は王家の為の厳粛なもの。
琉球王府時代の1870年から続いていて、琉球王の末裔の尚家の方々も参加されています。

公事清明祭@伊是名島

以前から興味があったのですが、沖縄本島北部からフェリーに乗る伊是名島は遠いので、なかなか行けませんでした。
しかし、今年は仕事を調整して、1泊2日で決行。
公事清明祭の前日に、伊是名島に入りました。
伊是名島に到着すると、まずは尚円王御庭公園へ。
金丸(尚円王)の像があります。

金丸像(尚円王)@伊是名島

金丸は伊是名島の農民出身ですが、24才の時に島を出て紆余曲折の後、琉球王国の第2尚氏の開祖・尚円王となります。
尚円王御庭公園の隣には、尚円王の生誕の地で、臍の緒が埋められている「みほそ所」があります。
あまり知られていませんが、公事清明祭の前日に、「みほそ所」の御座楽の奉納を行っているそうです。
偶然でしたが、御座楽を見学することが出来ました。喜

御座楽@尚円王生誕地屋敷内みほそ所,伊是名島

御座楽@尚円王生誕地屋敷内みほそ所,伊是名島

御座楽@尚円王生誕地屋敷内みほそ所,伊是名島

翌日、公事清明祭が行われる伊是名玉御殿へ。
午前10時から始まりますが、早めに行って正解。
普段は鍵がかかっていて入ることのできない、伊是名玉御殿に入れました。
公事清明祭でお供えする料理の種類とその位置は、琉球王府時代から全て厳格に決まっているそうです。
会場の人たちは、昔の資料『伊平屋島玉御殿公事帳』の「御三味物御飾之図」や以前の写真を見ながら配置の確認をしていました。
資料名には「伊平屋島」となっていますが、島の名前ではなく、昔の間切に相当する行政単位としての「伊平屋島」です。
伊是名島は、「伊平屋島」に含まれていました。

公事清明祭@伊是名島

公事清明祭で特徴的な道具が、泡盛を入れる容器の「黄色地巴紋御玉貫」。

黄色地巴紋御玉貫@公事清明祭,伊是名島

玉御殿に向かって左側が尚円王の家族のお墓で、右側が親族のお墓です。
親族のお墓にも、お供えされていました。

公事清明祭@伊是名島

公事清明祭が始まると、紙銭(うちかび)を燃やしたり、焼香などが行われました。
尚家や銘苅家などの人達が参加していましたが、写真は自粛。
最後に一般の人も手を合わせることが出来たので、自分も参加しました。

続いて、「直会の宴」として御座楽と琉球舞踊の奉納が行われました。
御座楽は、「太平歌」と「萬年歓」、「紗窓外」の3演目。

御座学@公事清明祭,伊是名島

下の動画の御座楽は、「太平歌」。


続いて、琉球舞踊「稲まづん節」の奉納。

琉球舞踊(稲まづん節)@公事清明祭,伊是名島

琉球舞踊(稲まづん節)@公事清明祭,伊是名島


琉球舞踊「下り口説」。

琉球舞踊(下り口説)@公事清明祭,伊是名島


琉球舞踊「貫花」。

琉球舞踊(貫花)@公事清明祭,伊是名島


琉球舞踊「クバ笠の鳩間節」。

琉球舞踊(クバ笠の鳩間節)@公事清明祭,伊是名島


琉球舞踊「御船」。

琉球舞踊(御船)@公事清明祭,伊是名島


晴天の下、厳粛な公事清明祭の見学が出来て最高でした。

公事清明祭@伊是名島の地図
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